2022/10/31

被差別部落の調査は容易ではない・・・

ブログ『部落学序説』の筆者の経験からいいますと、特定の被差別部落について調査することは容易なことではありません。

筆者の場合、その史資料の大半は、徳山市立中央図書館郷土資料室の蔵書ですが、その郷土資料室で、検索して、被差別部落に関する書籍の閲覧を申し込んでも、司書の方から、<なにのためにこの本を読むのですか? この本は、閲覧禁止です。>といわれて、閲覧することを拒否されるでしょう。

筆者が日本基督教団西中国教区の山口の小さな教会の牧師をしていた下松市の市立図書館では、書名に<部>のつく本は、すべて閲覧禁止にされていました。筆者は、下松市立図書館では、関連書籍は1冊も閲覧することはできませんでした。それと比べますと、徳山市立中央図書館郷土資料室の史資料は、制限つきながら、読むことができました。しかし、しばしば、司書の方から、<あなたは部落に関する本を読んでいるのではありませんか?部落について調べることは差別ですよ。>といって、閲覧禁止にされます。

あるとき、徳山市立図書館郷土資料室の司書の方が、山口県立図書館の担当者の方に通報され、その担当者の方から、筆者、質問を受けました。そのとき、筆者、<私は、日本基督教団の牧師です。長州藩領地における切支丹弾圧を調べていますが、切支丹を追捕・入牢・栽培・処刑に関与していたのが、穢多役・非人役です。>と答えますと、その担当者の方、<被差別部落についてどこまで調べましたか? 何の史資料を使ってそれを調べましたか?>と問いかけてこられましたので、ありのまま答えました。<長州藩の穢多寺は3ケ寺、茶筅寺は1ケ寺ですよね>と念をおされるので、<それだけではありません。周防国の茶筅寺は1ケ寺ではなく3ケ寺です>と答えると、<それはどこに書かれていましたか?>とさらに問われるので、<浄土真宗の寺を訪ねて、その住職さんから、3ケ寺の名前を教えてもらいました>と答えました。すると、その担当者の方、<そこまで、調べたんですか? それなら、もう何も言いません。納得できるまで調べなさい。あなたが、被差別部落の人々を差別するために調べているのではないことがわかりましたから・・・。やはり、日本基督教団の牧師から、あなたのような人が出てきましたか・・・。歴史の真実を知るために、運動とは関係なく、被差別部落の歴史をしらべはじめたのは、あなたが二人目です。>といって、先輩牧師の名前を教えてくださいました。筆者、その牧師と一度も連絡を取ったり話をしたりしたことはありませんが・・・。

その経験から、すべての同和対策事業が完了したといわれる現代においても、公立図書館で被差別部落について調べるのは、極めて困難であると思われます。今、問題になっている『全国部落調査』・・・、あれをみて、被差別部落の何がわかるというのでしょう?動画『部落探訪』は、<貧民>探しをしているようにしか見えないのですが・・・。まだ、<貧民はいる、だから、国と行政は同和対策事業を継続する必要がある・・・。>と利権獲得のための訴えでしかないように思われます。だから、同じ穴のむじなである部落解放同盟も、その存続を容認している・・・。

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