昨夜、『アーレント=ヤスパース往復書簡』を読んでいました。そのあと、リュフィエ著『生物学から文化へ 3』を拾い読みしていましたが、読書は、筆者の人生の晩年にとって、<こころの旅>であるようです。
日本基督教団西中国教区の山口のちいさな教会の牧師を辞し、隠退牧師になり、妻の故郷・湖南に帰郷・帰農するとき、教会の会計担当役員の方から、退職金の放棄を求められ、筆者、それを了承しました。退職金なし、年金も、同世代の牧師の半額以下・・・。当然、隠退牧師である筆者と妻の暮らしは、経済的に制限の大きなものになります。認知症の、妻の実家のおかあさんの介護もあって、10年間、ふたりで旅をすることは1度もありませんでした。妻が飼っている黒猫黒兵衛も健在・・・、独りになるととても寂しがり屋になる黒猫黒兵衛をおいて長時間家を離れることは難しいので、ふたりで旅をすることはなさそうです。
そんな筆者と妻の唯一の趣味は、読書・・・。読書は、時代と空間を超えて、いろいろなひとに出会うことができるこころの旅・・・。もし、読書がなければ、身近な人々との卑近な人間関係の中に埋没して、誹謗中傷・罵詈雑言、排除・疎外にさらされながら、失意の人生を終えることになったでしょう。しかし、筆者も妻も読書が共通の趣味・・・。読書は、筆者と妻の、こころと世界を InShrink から守り、OutStretch してくれます。低俗な現今の教師から離れて、高貴な精神を持った、万葉の歌人や、肥後和男・金子武雄・大後美保などをわが師としてその言葉に耳を傾け、哲学者・ラートブルフ、ヴィトゲンシュタイン、ヤスパース、アミエルなどに私淑し、老いてゆく筆者のこころとあたまを OutStretch することができます。
こころの旅は、過ぎ越しです。1日を過ぎ越し、1週間を過ぎ越し、1か月を過ぎ越し、1年を過ぎ越し、主なる神さまが与えてくださった人生を過ぎ越して、主なる神さまのみもとに帰るときまで、こころの旅を続けることになります。悪魔は、筆者のまわりをうろついて、筆者の足をすくおうといろいろ策略を練って攻撃しかけてくるでしょうが・・・。
2022/11/14
人生の晩年の読書は、こころの旅・・・
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