昨夜、リュフィエ著『生物学から文化へ 3』の<第4章人種主義の起源と歴史>を読んでいました。
『アーレント=ヤスパース往復書簡』を読んでいますと、アーレントもヤスパースも共に、<人種主義>に批判的であることがわかります。
アーレントは、<純粋に神学的に見て、人種主義が正真正銘の異端であることは明白>であるといいます。<ヴァティカンは共産主義者を破門しただけけでなく、20年代にはアクシオ・フランセーズも破門した。それなのにヒットラーと人種主義を破門することだけはしなかった!洗礼の秘蹟はユダヤ人をキリスト教徒になしえないというのなら・・・ほんとうに教会はもうおしまいです。>とヤスパースに書き送っています。
カトリック教会は、<ヒットラー>と<人種主義>を破門しなかったという、アーレントの主張を検証するために、リュフィエ著『生物学から文化へ 3』の<第4章人種主義の起源と歴史>を読んだのですが、<今日では、人種主義は誤った解釈からの結果、あるいは似非科学的な創作と考えられている。・・・根拠のない理論が、今日に至るまで受け入れられ、普及してきたということは驚くべきことである。このような欺瞞が成功をおさめたのは、時として、政治的誘導によって強化された心理的、社会的かつ文化的要因による>とありました。
<根拠のない理論が、今日に至るまで受け入れられ、普及してきたということは・・・政治的誘導によって強化された心理的、社会的かつ文化的要因による>。アーレントは、差別する側の人種主義とその運動も、差別される側からの人種主義とその運動も等しく間違っていると主張しています。
2022/11/14
<人種主義の起源と歴史>を読む・・・
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