2024/01/13

真実は, plain word & plain speaking で・・・

    今朝, ”英訳聖書” (NEB) を通読しているとき, 主イエスさまの言葉の中に, plain word と
 plain speaking という言葉が出てきました. 

    イエスさまは, 神の真実は, plain word & plain speaking で語ることができると話しておられるようです. 律法学者やパリサイ派の教師たちのように, 難解な言葉で民衆を煙に巻いて彼らの都合のよいように民衆を扇動・支配するのではなく, イエスさまは, 弟子たちに, plain word & plain speaking で神の真実を語り続けることを求めておられるようです. 

    主イエスさまがそうであるように, その弟子も主イエスさまと同じ道を歩まなければならない・・・. 

    上村妙子・大井恭子著 ” A Handbook for Writers of Essays and Research Papers” に, 日本語が和語と漢語から形成されているように, 英語もゲルマン系とラテン系から形成されているとか・・・. 日本でも, ”自分の書こうとしているものが手紙文などの口語に近いものであれば、和語を多く用い, レポート, 論文などの場合は堅い表現としての漢語の語彙を使う” が, イギリスにおいても, 支配階級・知識階級は, ラテン系の言葉を使い, 被支配階級・農民は, 本来の彼らの言語・ゲルマン系の言葉を使い続けたと言います. 日本とイギリスは, 共に, ”語彙の中に二重構造” を持つ国になったようです. 

    日本では, 漢語を使うことができる支配階級である武士階級が, 被支配階級である農民を低く見て差別してきたのと同じように, イギリスにおいても, 支配階級は被支配階級である農民を軽くみてきた歴史があるようです. 

    その ” A Handbook for Writers of Essays and Research Papers” では, ”レポート・論文にはラテン系語彙を多く使” うことを奨めています. ”客観性と高尚さを出すためには, ラテン系の単語を多用することが望まれる” とありました. 

    イギリスの支配階級は, mutton や beef や pork (ラテン系の単語) を食べ, 被支配階級の農民は, sheep や cow や swine (ゲルマン系の単語)を食べたそうです. ”農民たちは eat するのに対し, 気遺族たちは dine する”. 作業をして汗をかくとき, 農民のかく汗は sweat なのに, 上層階層のかく汗は perspire という言葉が用いられる・・・.

    英語論文には, ”客観性” が求められますが, それは, 支配階級のラテン系の言葉だけでなく被支配階級のゲルマン系の言葉にも共通しています. ただ, イギリスの支配階級の語るラテン系の言葉の ”高尚さ” を出すために, 意識的に現代人が, しかも日本人が, イギリスの支配階級の言葉を語る必要があるのか・・・?

    安原和也著 ”英語論文表現入門 中高基本150語から学ぶ英語学術表現の世界” を99.9%マスターして, Plain English で英語論文を書こうとする私の指向とは真逆の技法です.  

    有名なアメリカの映画で, 最後の場面で少年が呼びかける言葉, ”
" Shane, Come back !" の come back は, イギリスの被支配階級の使うゲルマン系の言葉・・・. イギリスの支配階級の高尚なラテン系の言葉では, come back (帰って来て!) に換えて, return (戻れ!) という言葉が使われるのでしょうか・・・。

    と無学歴・無資格 (Academic Outsider) である私が書いても, ” A Handbook for Writers of Essays and Research Papers” の著者である上村妙子・大井恭子両氏を批判しているわけではありません.  その著書を通して, 私はかれらから私淑しようとしているのですから・・・

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