午前中、本田豊著『被差別部落の民俗と伝承』を再度読んでいました。 本田豊氏は、<東日本各地に調査のフィールドをもとめ>長野・群馬・埼玉の7人の被差別部落の古老の聞き取り調査をこの本にまとめたそうですが、午前中、それらに再度目を通しながら、Google Mapでその古老の証言に出てくる地名を確認しました。
そのあと、埼玉県教育委員会編『同和問題と同和教育ー指導者用資料ー』を一瞥して、『被差別部落の民俗と伝承』との関連資料を検索していました。 <対象地域の概況>を知るために<指導者>が閲覧することを勧められているのは、
1. 『全国部落統計表』 (1921年 (大正10))
2. 財団法人中央融和事業協会調査 (『全国部落調査』) (1935年(昭和10))
3. 厚生省調査 (1958年(昭和33))
4. 同和対策審議会の調査部会調査 (1963年(昭和38))
5. 総理府全国調査 (1967年(昭和42))
6. 総理府全国調査 (1971年(昭和46))
7. 埼玉県『同和地区精密調査』 (1974年(昭和49))
8. 総理府全国調査 『全国同和地区調査』(1975年(昭和50))
9. 埼玉県『同和地区実態調査』 (1975年(昭和50))
10. 埼玉県『同和地区調査』 (1979年(昭和54))
11. 埼玉県『同和対策対象地域労働実態調査』 (1980年(昭和55))
12. 埼玉県『同和問題に関する意識調査』 (1983年(昭和58))
埼玉県の<指導者>はこれらの調査資料を自由に閲覧することができるのでしょうが、一般県民・一般国民は閲覧することができな<秘密行政>の調査資料・・・。 埼玉県教育委員会編『同和問題と同和教育ー指導者用資料ー』は10.の調査資料に依拠しているとのことですが、調査当時の埼玉県内の<同和関係市町村数>は54市町村、地区数は284・・・。 本田豊氏が『被差別部落の民俗と伝承』で聞き取り調査をされている埼玉県内の地区数は284のうちの5~7・・・。
埼玉県教育委員会編『同和問題と同和教育ー指導者用資料ー』の一節
<県・市町村行政は真剣に同和教育を進めている。 予算も使っているし、部落差別の解消には真剣に同和教育を進めている。 しかし、心理的差別観の払拭は一向に進まない。 運動団体も研修会や学習会を開き、機会あるごとに同和教育を進めているが、部落差別は解消しない。 どこにその原因があるのだろうか>。
埼玉県教育委員会の自問自答なのか、それとも同和教育の限界に対する絶望的な悲鳴なのか・・・? よりよい同和教育をもとめての自問自答だとしても正しい<自問>に的外れの<自答>しかしていない。
被差別部落の先祖は近世幕藩体制下の<賤民>であるとする左翼主義思想の解放理論にもとづく差別思想<賤民思想>を同和教育の名のもとに教えている限り、人権教育だの人間教育だの高邁な教育理念を掲げても学校同和教育によって生徒の中に残るのは差別思想<賤民史観>だけ・・・。 差別教材を使って反差別を教えるという矛盾に満ちた同和教育・解放教育が被差別部落内外のこどもたちに差別思想<賤民史観>から解放された生き方を提供することはできない。 同和教育は最初からボタンをかけ間違っているのではないでしょうか。
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