2022/10/02

老いについてのアーレントとヤスパースの対話・・・

昨夜、『アーレント=ヤスパース往復書簡』を読んでいたとき、アーレントとヤスパースの老いについてのやりとりがありました。

75歳の誕生日を祝ってもらったヤスパースが、70歳のときの誕生日と比較しながら、老いを祝うのは、一生に一度70歳のときだけ・・・。75歳になると、老化を感じざるを得ない・・・と、老いについて悲観的な言葉を綴るヤスパースに、ヤスパースの弟子であり、同じ哲学者であるアーレントが、ヤスパースの老いについての見方は間違いであると、ヤスパースを説得するやりとり・・・。アーレントは、昔と今は違うので、昔の70歳は今の80歳として、老いを見直す必要があるといいます。

『アーレント=ヤスパース往復書簡』には、論文の書き方や、出版の仕方などの具体的な話が次から次へと出てきます。出版社との印税についての交渉も・・・。本の執筆計画や、その本の中での<序論>の位置づけなどについても、いろいろな言及があります。アーレントは、その受講生、アメリカ人のウッドワードが学位をとるときの推薦状を、ヤスパースとカール・バルトから得ることができるよう働きかけています。そのときのカール・バルトの年齢は、72歳・・・。<大学>の中で、展開されている様々な人間模様・・・。やはり、無学歴・無資格、大学教育とは無縁の筆者、『アーレント=ヤスパース往復書簡』に描かれている世界とはまったく無縁であるようです。しかし、そういう世界を、『アーレント=ヤスパース往復書簡』を通して垣間見ることが許されていることは、無学歴・無資格の筆者にとってもさいわいなことです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

雨除け栽培用トンネルの屋根のビニールシート・防鳥防獣ネット・暴風ネットを取り除く・・・

    午前10:30-午後2:00まで, 妻の実家の棚田の田で作業をしました.      上段の田畑転換した畑にたてた,28m長さの,トマトの雨除け栽培用トンネルの屋根のビニールシート,  防鳥ネット, 暴風ネットを取り除いて,折りたたみ,  農業用ビニールハウスのなかに一時保...