鷲田小彌太著『知の技術者宣言』の中に、<知性の自由競争に身を置く>という短文があります。
その冒頭の言葉は、<戦後教育の最大の弊害は、競争を「悪」とみなす考えです。>ではじまります。鷲田氏は、<知的な競争は・・・知性の増幅には欠かせない条件>であるといいます。しかし、知的競争といっても、現実の具体的な人物との知的競争に限って言われているのではなく、書籍を通じての過去の先学との内的競争も知的競争に入ります。そにような<知的競争は有益>とか・・・。
しかし、インターネット上で論文を公開執筆しますと、不特定多数の読者から、不当な<知的競争>をしかけられることも少なくありません。そこで頭をもたげてくるのが、<戦後教育の最大の弊害>・・・。論理的な批判は影をひそめ、主観的・情緒的非難が大手を振ってまかり通るようになります。被差別部落の問題や歴史について言及しますと、特に、非論理的な、主観的な反感にさらされるようになります。しかし、そのなかで、『部落学序説』や『部落学』を執筆していくには、<知性の競争に私怨を持ち込まない>ことが大切であるといいます。論理的に展開される主張に、<私怨>を持って対峙するのは、鷲田氏は、<負け犬の作法>だといいます。
筆者のブログ『部落学序説』は、<私怨>に触れないで、史資料と研究論文に対する論理的批判に徹しています。被差別部落に対する<私怨>に触れると、筆者、語るべきことがたくさんありますが・・・。
2022/10/09
<負け犬の作法>に陥ることなく・・・
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