2024/01/16

被差別部落の古老から教えられたことで誰にも話したことがないこと・・・

    日本基督教団西中国教区の山口のちいさな教会の牧師をしていたとき, 西中国教区部落差別問題特別委員会が設置された直後からその委員を押し付けられ, 山口で牧師をしていた30年間, 部落差別問題と取り組むことになりました. 

    30年間です. 30年間・・・. 

    私が, 無学歴・無資格 (Academic Outsider) であっても, 30年間取り組みを継続すればいろいろなことを経験するものです. 日本基督教団の, 部落差別問題に取り組んでいる牧師や信徒の講演や発題を聞いても, 部落差別問題が今ひとつわからない, そこで, 私は, 被差別部落を尋ねて彼らから直接, 部落差別とはなにかを教えてもらうことにしました. そこで学んだこと・・・. 

    01. 部落解放運動には2種類あること: 同和対策事業の利権を追究する運動と部落差別を解消するための運動の2種類
    02. 
同和対策事業の利権を追究する部落解放同盟とその被差別部落には一般の人が参加することはできない
    03. 一般の人が参加できる部落解放同盟の支部は極めて少数
    04. そのような部落解放同盟の支部で開催される学習会は, 一般の人も参加できる
    05. 学習会では, 普通の被差別部落のおじさん・おばさんの話の被差別経験とその差別を跳ね返して生きてきた闘いを聞くことができる
    06. 左翼主義思想の運動用語やイデオロギー用語ではなく, 被差別部落の民衆の言葉を聞くことができる
    07. 差別事件が起きたときの確認会・糾弾会に陪席できる
    08. 学校の同和教育の現場でおきた差別事件についてその教師から直接弁明を聞くことができる
    09. 山口県の被差別部落の歴史資料のコピーが提供される
    10. 同和対策事業の内容に関する具体的な資料を提供される
    11. 差別発言をすると, それがなんで差別発言になるのか, ていねいに教えてくれる
    12. 部落解放同盟のすべての支部の闘いを教えてくれる
    13. 部落解放同盟の支部間の葛藤も知ることができる
    14. 学習会の参加者は, 被差別部落の方々だけでなく, 学校教師, 宗教者, 新聞記者, 青い芝の会などいろいろな人が参加していて人間関係を広げることができる
    15. 部落差別だけでなく, 学歴差別, 職業差別, 性差別, 障害者差別, 民族差別, 人種差別などいろいろな差別に接することができる
    16. 被差別部落に残った人と出て行った人の生き方の違いを知ることができる
    17. 部落解放同盟が行う未指定地区の実態調査に同行できる
    18. 被差別部落の料理を味わうことができる (私が食べたのはさいぼしのステーキ)
    19. 被差別部落の人々から求められたことがあるのは, その被差別部落の歴史を調べること
    20. 日本基督教団の牧師の部落差別問題との観念的な取り組みに内在するもろさを教えられる
    21. クリスマスイブは, 教会員と部落解放同盟支部の方々との合同礼拝となる
    22. 書記長の小さな娘さんがみんなのキャンドルに火を点けていったのは今でも忘れられない
    23. 似非同和行為を見極める方法を教えてくれる
    24. 部落差別に限らず, すべての差別に反差別主義的生き方をまっとうすることができる
    25. いろいろな被差別部落の隣保館で講師として招かれる

    上記の項目は, 部落解放同盟の支部で開催されていた学習会に参加を許されて, 私が学んだり経験したりしてきたことです. 

    あるとき, 山口の県北の被差別部落の古老から, 被差別部落の在所を知る方法を教えてもらったことがあります. ある特徴を持っている場所は, 被差別部落の可能性が高いと・・・. そのことについて, 山口の未指定地区を含めてすべて探訪してみたところ, その古老の語る言葉が正しいと分かりました. しかし, 未指定地区の古老から聞いた教えを, 私は, 誰にも話していません. 被差別部落の人にも, 部落解放同盟の方々にも・・・. 私が出会ったどの学者, 研究者, 教育者にも・・・

    それを知らない部落解放運動家は, "部落地名総鑑事件" の対象になることが分かっているにもかかわらず, 内務省管轄下の財団法人・中央融和事業協会の『全国部落調査㊙』という文書をインターネット上で意図的に流したりするのでしょう

    最初の取り上げたように,
部落解放運動には2種類あります.  同和対策事業の利権のみを追究する運動をしている部落解放同盟の支部とつながりを持つことは, 被差別部落出身者でないと難しい・・・. たとえ, つながりが持てたとしても, 部落差別完全解消のためになにの期待も持つことができないでしょう. 部落解放同盟の支部と, その被差別部落の人々に接するなら, 同和利権よりも, 部落差別を解消するための運動を日常生活のなかで着実にすすめている支部や被差別部落にすべきです. 

 


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