今朝、ヤスパースの『哲学』(全3巻)を読んでいました。
人間の認識が<虚偽の傾向>に偏向して行っているとき、単に<区別を意味するに過ぎない>ものが、<生活心情の存在意義の表現たらしめる>ことになるそうです。
たとえば、<差別>・<被差別>の二分法・・・。これも、単に<区別を意味するに過ぎない>のですが、左翼思想の学者・研究者・教育者・運動家の手にかかると、被差別であることの<生活心情の存在意義>に変化してしまう・・・。<差別されれている>ということが、存在理由にまで心情的に高められてしまう。<一見究極的に見える>、この<差別>・<被差別>の二分法は、その思想が<虚偽の傾向>を帯びたときに見られる現象・・・。ヤスパースは、<思慮深い>精神の持ち主は、決して、問題を二分法でぶったぎるような荒っぽい方法は取らない、<事実的に存立するものを幾重にも区別して知覚しようとする。・・・一切の世界定位的認識>は<中間的存在である>といいます。歴史における様々な事象は、二分法では解明することができない。二分法の両者の間には、無数の中間が存在する・・・。それらを認識しないで、すべてのことを二分法で割り切ることは<虚偽>へと人々を導くことになる・・・。
単なる<区別>を<差別>につくりかえる、左翼思想の学者・研究者・教育者・運動家たち、彼らには、部落差別完全解消への志向はない・・・。
2021/12/19
虚偽の傾向に順応しないために・・・
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