2021/12/05

イエスさまの手は黒人の手・・・

イエスさまの手は黒人の手・・・
DATE: 04/06/2016 20:31:20

若かりし日、専門商社の倉敷営業所に勤めていたことがあります。本社は、丸の内・三井ビル・・・。

あるとき、本社に出張することになり、岡山から新幹線に乗り込みました。途中、神戸駅だったと思いますが、筆者がのっている車両の前の出入り口から、大柄な黒人が乗り込んできました。

筆者は、その車両の一番後ろの席でした。そのため、その黒人の動きを全部見ることができました。彼は、手に、1枚の紙をもって、それと車両の座席番号を照合しながら、車両の前からうしろへとやってきました。そのとき、筆者、不思議な現象を目にしました。黒人の方が視線を向けると、向けられた乗客は、みんな窓の方を見て、その黒人と視線をあわすことを避けているようでした。

その黒人、とうとう、車両の最後の席に座っている筆者のところまで来ました。筆者、その黒人と目があいました。すると、その黒人の方、英語で筆者に話しかけてきました。筆者、ほかの乗客と同じく、黒人から窓に視線を移すことができませんでした。手に持った紙切れを筆者に差し出す黒人からその紙を受け取った瞬間、それは、今まで1度もみたことがないけれども、新幹線の乗車券であることがすぐわかりました。英語の切符が読めても、英会話ができない筆者、片言で、<Your Sheet ?>と黒人の方に語りかけました。<Yes!>といって微笑む黒人の方に、<Please,Let's go!>といって、その英文の乗車券に書かれている座席までその黒人の方を案内して、<Please, your sheet!>といって、手でその席を示しました。すると、その黒人の方、筆者の右手をとって、<Thank you! thank you!>と握手してきました。そのとき、筆者の目に入ったのは、黒人の方の大きな、黒くて、あたたかい手・・・!筆者、そのとき、なぜか、一瞬、<イエスさまの手って、こんな手ではなかったのだろうか・・・?>と思いました。

それ以来、筆者、イエスさまの<手>について、聖書で読むとき、いつも、西洋の聖画に出てくる、白人の細くて、つめたそうな、弱弱しい手ではなく、あの黒人の大きくて、黒くて、あたたかい手、小さな手を包み込む強い手を思い浮かべるようになりました。おぼれるペテロを荒れた海から救い上げたイエスさまの手も、この黒い手・・・。病んだものを癒す、イエスさまの手も、この黒い手・・・。

イエスさまは、<ナザレの大工>と言われていました。決して、エルサレムの祭司やレビ人の手でもなく、ラビや聖書学者の手でもなく、神父や牧師の手でもなく、<ナザレの大工>の手・・・。山に行って、杉を切り倒し、里まで持って帰って、それで家をつくることができる、昔の職人、ナザレの大工の手・・・。

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