今朝、食事のあと、お茶を飲みながら、妻に、昨夜と今朝、筆者が読んだヤスパースの『哲学』(全3巻)の箇所の話しをしました。
現代人が陥り易い偶像崇拝について・・・。偶像崇拝は、『聖書』の中で、主なる神を信じる者に堅く禁じられていることがらです。聖書の神、真の神以外のものを神として拝してはならないという戒めは、<十戒>の中にも出てきます。
日本は、<多神教>の世界であるといわれているのと同時に<無神論者>の世界であるとも言われています。日本の知識人、学者・研究者・教育者・運動家の中には、自らを<無神論者>と宣言する人も多い・・・。そうすることで、宗教的神話や迷信から自分を遠ざけ、合理的・科学的な精神で生きているとの自覚をもって生きていくことになるのですが、偶像崇拝は、目に見える形で表現された木佛・石仏だけでなく、目に見えない形の偶像崇拝も存在しています。
アスペスト転換的に、哲学者・ヤスパースの『哲学』の言葉を読み直しますと、現代の日本の知識人、学者・研究者・教育者・運動家の偶像崇拝とは、<知識>に対する偶像崇拝です。たとえば、<被差別部落の先祖は賎民であった>という偶像的知識の前に、彼ら、学者・研究者・教育者・運動家は、被差別部落の人々をひざまづかせ、ぬかづけさせるのです。そんな強制的知識を強要された被差別部落の人々は、失望・絶望へと駆り立てられ、ある場合には自らの命を絶つ極限に追い込まれてしまいます。その上で、<知識>という偶像崇拝の祭司である、学者・研究者・教育者・運動家は、彼らの失望・絶望からの救済手段として、<部落解放理論>、<部落解放運動>をたちあげ、国や行政から補助金として入ったものを献物・献金として巻き上げる仕組みを作っていきます。部落差別ないし部落解放にかかわる収入はすべて、<知識>という偶像崇拝の祭司である、学者・研究者・教育者・運動家の手に帰すると・・・。
学者・ヤスパースは、その『哲学』の中で、被差別にある人々を、差別思想<賎民史観>という知識の偶像崇拝から被差別者自身が自らを解放する、あるいは、そのことに賛同する人々が彼らと共に解放されることをもとめるための哲学的理念と方法をつづっています。
熱心に、筆者が語るヤスパースの『哲学』の内容に耳を傾ける、筆者の妻・・・、第二次世界大戦下の、生粋のドイツ人である夫ヤスパースと生粋のユダヤ人であるその夫人との真摯な生き方に、目頭を熱くしていました。日本基督教団の隠退牧師である筆者が、73歳になってなお独学を続けることができるのは、妻の物心両面の支えがあるからです。
2021/12/06
朝、妻に、昨夜と今朝読んだヤスパースの『哲学』の話をする・・・
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