筆者が入手した、部落史研究者の本田豊の著作は、『被差別部落の民俗と伝承』と『部落史から見た東京』、『江戸の部落』、『江戸の非人』、『白山神社と被差別部落』、『戦国大名と賎民 信長・秀吉・家康と部落形成』、『被差別部落の形成伝承』の7冊・・・。
部落史研究の門外漢である筆者の『部落学序説』と、部落史研究のプロである本田豊の著作は、部落史研究という一つの棒の両極端・・・。筆者は、<賎民史観>を徹底的に批判し、本田豊は、<賎民史観>の上にのっかって部落史研究・民俗学的研究をすすめる・・・。
それなのに、筆者、なぜ本田豊の本を読み続けるのか・・・? それは、彼が、日本全国6000部落のうち4000部落を探訪し、そこに住む、近世幕藩体制下の司法・警察であった<穢多>役、<非人>役の末裔から聞き取りをして、それをその著作で多数紹介しているため・・・。本田豊の部落史研究の理念や方法を否定しても、その著作に出てくる、被差別部落の人々の歴史と伝承、その語る言葉を否定しているわけではなく、むしろ、本田豊の賎民史観的着色をとりのぞいて、アスペクト転換的に、その真実に着目、筆者の『部落学序説』執筆の貴重な参考資料にするため・・・。出された器が悪いからといって、その器にもられた料理まで悪いわけではないですから・・・。
2021/12/05
それでも、本田豊の本を読み続ける理由・・・
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