2021/12/03

だれだって、傷ついた他人の姿なんか、みたくはない・・・

朝、読んだヴィトゲンシュタインの言葉・・・。

<だれだって、傷ついた他人の姿なんか、みたくはない。だから、他人が傷つかない姿で登場するほうが、誰にとっても気持ちがいい。だれだって、わけもわからず侮辱され傷ついた人の顔など、見たいとは思わない。このことを忘れてはならない。侮辱され傷ついた人にたいしては、かれに友人として近づくよりも、かれをがまん強く――辛抱して――避けることのほうが、ずっと簡単である。友人として近づくためには、勇気までが必要になる>。

ここでいう、<わけもわからず侮辱され傷ついた人>というのは、ヴィトゲンシュタインの出自でもあるユダヤ人のことです。

ヴィトゲンシュタインは、<わたしの本は、小さなサークルの人びとのためにだけ書かれたものである。・・・かれらが、わたしの文化圏の住人だからである。ほかの人たちが、わたしにとって異邦人であるとすれば、逆にかれらは、いわば祖国の同胞なのだ。>といいますが、筆者のブログ『部落学序説』に登場してくる<被差別部落の人びと>は、<傷つかない姿>で登場してきます。しかし、差別者も被差別者も多くのひとは、それを<虚構>だといい<きれいごと>だといいます。差別者も被差別者も、被差別者は、歴史の中でずっと差別されてきた、みじめであわれて気の毒な人であったと主張し、それを根拠に、同和対策事業を国や地方行政に求め続けている・・・。差別者も被差別者も差別を売りものにして、利権に群がり私腹を肥やすことにのみ汲々としている限り、日本の社会から部落差別はなくならない。

朝の哲学三重奏は、ひとつとなって、筆者に、被差別部落の人びとを<傷つかない姿>で登場させる『部落学序説』にたいする応援歌のように響いてきます。

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