2021/12/03

批評的な観察と嘲笑的な批評にみちたこの世界に・・・

今朝、筆者の目にとまった、哲学者・ヴィトゲンシュタインの言葉・・・。

<わたしが典型的な西洋の学者に、理解されるかどうか、批評されるかどうかは、わたしにはどうでもよいことだ。なにしろその手の学者ときたら、ものを書くわたしを包み込んでいる精神をいうものを、まるで理解していないのだから。>

筆者が今朝耳にした哲学者3人は、<西洋の学者>ではないのだろうか・・・? かれら3人の<精神>を見る限り、西洋的であると一見見えながら、実際は西洋的ではない。東洋の宗教のひとつである聖書信仰と深く結びついているのですから・・・。

法哲学者のラートブルフも、<批評的な観察と嘲笑的な批評にみちたこの世界に、いまや私は嘲笑の矢に多くの目標を提供するような性質をもってはいりこんだ。>と記していますが、ラートブルフの言葉も<典型的な西洋の学者>からの隔たりを物語っているのかもしれません。

インターネットのいまだ存在していない<批評的な観察と嘲笑的な批評にみちたこの世界>と比べると、インターネットによって情報ネットワークがはりめぐらされ、匿名で<無責任な批評的な観察と嘲笑的な批評にみちたこの世界>で、<批評的な観察と嘲笑的な批評>から自由になり、真実を語り続けようとする哲学者は、さらに、<批評的な観察と嘲笑的な批評>にさらされることになるのかもしれない。しかし、哲学者が闘う武器は、言葉と論理以外のなにもにでもない。哲学者が、もし、法や政治を用いて、自己の主張を一般化、普遍化して、一般人に強制的にはたらきかけようとするとしたら、哲学者はもはや哲学者ではなくなっている。

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