昨日、インターネット経由で注文していた本田豊著『被差別部落の形成伝承』が届きました。この本は、1998年に出版した『被差別部落の民俗と伝承』の続編であるとか・・・。『被差別部落の形成伝承』は2010年の出版ですから、その12年間に、部落史研究はどのように変化していったのか・・・? 2005年に執筆を開始した筆者の『部落学序説』には、どのような位置づけがあたえられることになるのか、少なからぬ関心があります。
その最初の文章は、<部落史研究の落とし穴・・・>。
<部落史研究は本当に元気がない。・・・何でこのような状況になっているか、というと、運動がらみで研究が進められてきたから、研究そのものも身動きが取れないのである。一日も早く、研究は研究として自立しなければならない。最近は、解放運動の退潮に呼応するかのように、研究も星雲状態を呈しているが、果たしてこれで良いか。研究の現実は、ますます部落問題の枠を複雑怪奇にしただけではないのか。「あれもある、こんなのもある」とさまざまな史料を提供されると、読まされるほうは、実際に何がなんだかさっぱりわからなくなるのである。部落史研究は、このような迷路に入り込んでいるように見られる>。
つまり、筆者の『部落学序説』を読んで正当に理解できる部落史の学者・研究者・教育者・運動家はいないということでしょうか・・・。無学歴・無資格、部落史研究の門外漢である、日本基督教団の隠退牧師である一宗教家が、上記部落史研究の前提である賎民史観を、被差別部落の人々を差別の鉄鎖につなぎとめる<差別思想>以外のなにものでもないと、解放運動の御用学者を批判しているのですから・・・。
2021/12/10
部落史研究の現在
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