農家組合に入っていないので, 農協関連の情報は入って来なかったのだけれど・・・

    夜, 福島さくら農業共同組合の広報誌 "さくら２月号" とページの間にはさまれていたチラシに目を通していました.

    2013年4月1日に, 妻のふるさと・湖南に帰郷・帰農した際, 湖南農協に組合員になりたいと意思表示して手続きをはじめたところ, "組合員になるには, 農地を５.0反以上保有していなければならないが, 妻の実家のおとうさんが逝去したあと継承した田畑は4.6反, 5.0反未満なので組合員になることはできない, 正組合員にも準組合員にもなることはできない，組合員でないものに種籾や農業用資材を販売することはできない" と, 湖南農協の組合員になることを拒否されました.

    それ以来, 今日までずっと, "農家" ではなく "百姓" としてコメと野菜を栽培してきました. 有機・無農薬で栽培するコメと野菜の品種は, 湖南農協の取り扱い品目ではない品種を選んで栽培してきました. 湖南農協の組合員ではないので, "農家組合" からも排除・疎外され, 農協関連の情報は一切入らなくなりました.  それが2～3年前から，福島さくら農業共同組合の広報誌 "さくら" が郵便受けに入れられるようになりました. 妻は, この広報誌を郵便受けにいれてくださってるのは, 集落の "農家組合" の役員ではなく, 見知らぬ青年だった・・・,と話していました.

    農協でしか入手できない資材を求めて, 喜久田農協に行ったところ, "喜久田農協では, 3.0反以上農地をもっていれば正組合員になることができる" と聞かされ，その足で, 湖南から一番近い大槻農協に行って確認したところ, "大槻農協でも, 3.0反以上農地を持っていれば正組合員になることができる" と知って, 大槻農協の正組合員にしていただきました. そのとき, "湖南は大槻から離れているので, 大槻農協のサービスを受けることができませんが, それでもいいですか？" と聞かれたのですが, "必要な資材を売っていただけるだけで十分です" と承諾しました. 農協は同じ規則のもとで運用されているけれど，各農協の運用はそれぞれの地域の事情によって異なるので, 運用に違いが出てくる, 湖南農協の組合員になれなくても喜久田農協や大槻農協の組合員になることができる場合もある・・・,ということでした.

    2013年4月から2025年の今年まで, 農業用資材は全て, "喜久田農協" か "大槻農協" で購入してきました.  JA会津よつばの "猪苗代農協" でも, 農協が扱っている資材を購入することができるようになりました. また, "福島県内の農協が販売してくれないときは, いつでも新潟農協に連絡してください. 必要な資材を必要なだけお送りします" とのことでした. どこの農協も柔軟性をもっているのに, 妻の実家のある湖南の湖南農協だけは，"よそもん" の新規就農者に対して,  とても閉鎖的でした. 湖南農協の組合員は, 妻と私には, "コメの作り方を教えない", "湖南農協も種籾や資材を販売しない" と談合して, 排除・疎外してきました．湖南農協の職員からの嫌がらせや排除・疎外も目にあまるものがありました．

    妻と私を湖南農協から排除・疎外した湖南農協のトップは, 妻の親類・親戚筋にあたる人だったので， ことは複雑です. "たとえ親類・親戚筋でも, 規則を曲げて, あなたがたに便宜をはかって組合員にすることはできない" と私に語りかけてきましたが, 私は, "そうですね. 規則は常に守る必要があります. 規則に違背してまで, 湖南農協の組合員にしてもらう必要はありません" と答えました．

     福島さくら農業共同組合の広報誌 "さくら" をはじめて全ページ目を通しました. 今年の町内会の役まわりで, 私に, "農家組合" の役員がまわってきました. 現町内会長さんに, "私は湖南農協の組合員ではないのに農家組合の役員をするのですか?" とお尋ねしたところ, 彼は, "棚田の田でコメを栽培しているから，てっきり湖南農協の組合員だと思って・・・. そうですね, 吉田さんは湖南農協の組合員になることを拒否されてたんですね・・・" といって, 他の湖南農協の組合員の方に農家組合の役員をお願いすることにされたようです. 2013年, 妻のふるさと・湖南に帰郷・帰農して以来, 何度耳にしたことやら・・・."吉田は, 湖南農協の組合員ではねえ！ 農家組合の役員をさせるわけには行かねえ！" 

    そんな私も, 今は77歳・・・. 町内会のしきたり・ならわしでは, 70歳になるとすべての役を辞退していいということになっていますが, それを７年も越えて役を引き受け, 共同作業に参加してきました. "一人前の仕事もできねえのに, 日当稼ぎに共同作業に出てくるんでねえ！" と, みんなの前で私を罵倒する農家も少なくありませんでした. しかし, そういう農家も, 高齢化したり, 農薬被害でからだを壊したり, 病気になったりして, 共同作業に出て来なくなり，私をひとまえで罵倒する農家はほとんどなくなりました. 町内会１１軒のうち, 実際に自分でコメを栽培しているのは, 妻の実家を含む２軒だけ・・・.

    共同作業に参加しているとき, "吉田さんは, 何歳までコメをつくるつもりだ？" と聞かれて, "95歳まで, 自分で食べるコメは自分でつくることにしています" と答えるのが常ですが, すでに, 湖南農協も農家組合ももはや無縁の存在・・・. 高齢の百姓は, 身辺整理をして身軽になり, 自給用にコメと野菜，果実を有機・無農薬栽培することに専念するのが一番です.